top of page
橋中 今日子

流れに

身をゆだねて

みよう

 切迫早産で小さく生まれた娘は助からなかった。このとき子宮も感染、敗血症で死にかけた私に強い薬で治療がはじまったとき、「自分は死ねないんだ」と絶望。

その後、親や家族の介護に直面。悩んだ体験を必要とされ、メディアや出版と表に出るようになり勤め先を辞め独立、8年が経つ。介護者さんの相談に応えられるのは誇り…これが私の役割と感じる一方で、自分が望んだ仕事ではないと抵抗もあった。

本当に欲しいものは何一つ手に入っていないのに、生きていたら人との出会いの中で笑う瞬間もある。人生悲喜こもごも、目的はなくともこの世界を幸せに生きられると信じ、54歳のいま、流れに身をゆだねてみようと思いはじめている。

橋中 今日子

Kyoko Hashinaka

bottom of page